根の高台、
絶景の極上旅館「箱根小涌園 天悠」

箱根の山道をくねくね登ると現れる、非日常に満ちた温泉旅館「箱根小涌園 天悠」。箱根の旅館の中でも大型の施設で、150室の客室全てに完備されている温泉露天風呂や、自然を眺めながら楽しめる館内2か所、箱根小涌園内1か所の大浴場など、極上の温泉宿として名を馳せています。

「ホテルのような佇まいでありながら、旅館のおもてなしを」というコンセプトのとおり、館内に一歩足を踏み入れれば、ホテルライクな和の世界が広がります。箱根の絶景が見渡せるガラス張りのエントランスホールに、畳敷きにベッドを配置した和洋室。館内は浴衣のまま散策することができるのも、旅館ならではのくつろぎをもたらしています。館内1か所、別棟2か所のレストランでは地元の食材や豪華食材を使用した料理が提供され、連泊のお客さまも「食の楽しみ」が満喫できます。

「ありがたいことに、2017年のオープンからご予約が多く、ご好評をいただいております。コロナ禍には約1か月の休業をいたしましたが、当館の全ての客室に露天風呂がある環境がおこもり需要の中で支持されたこともあり、コロナ禍も安心して多くのお客さまにご利用いただくことができました。」と話すのは、箱根小涌園 天悠の女将、中村仁美さん。

「女将」がいることは旅館らしい特徴ですが、それとは別に「コンシェルジュ」がいることも、箱根小涌園 天悠のもう一つの特徴です。

「コロナが明けて、ずっと会えなかった家族が3世代でお見えになることが増えて来ました。天悠での時間をもっと素敵なものにしてもらいたいという想いが生まれ、『祝泊(しゅくはく)の宿』という新しい取り組みがスタートしました。」

久しぶりに会えたお祖母様にお孫さんからサプライズでお花を贈りたい、一世一代のプロポーズを最高のかたちで演出したい、などお客さまにとっての「記念日」となるその日の演出を、旅の前からコンシェルジュが提案。旅中、そして旅の後までサポートするのが、女将とコンシェルジュの仕事だと中村さんは話します。

訪れる人それぞれに寄り添うこのオートクチュールなサービスは、SNSの口コミでも広がり、海外での人気も高まっています。現在、箱根小涌園 天悠を訪れる約4割が海外からのお客さまとのこと。SNSを担当する顧客課の細山妃穂さんは、口コミの力は大切だと感じています。

「宿泊してくださったお客さまがご自身のSNSでも発信してくださり、そのご投稿や弊館のSNSをご覧になった方から、『自分もこのサプライズを演出したい』などのお声をいただくことも多いです。とても大きな反響をいただいていますが、魅力あるサービスの発信とともに、サステナブルな取り組みについても発信を続けています。」

ループをあげての
サステナブルな取り組み

母体となる藤田観光がグループをあげてSDGs活動を推進していることもあり、箱根小涌園 天悠はオープン当初からサステナブルな活動に力を入れています。脱プラスチックの推進としてアメニティ類をサトウキビ由来のバイオマス製品に変えたり、館内で提供しているドリンクのサーブに使用できるエコボトルを配布したり、また不要な室内清掃を行わないエコ清掃を取り入れるなど、CO₂削減に配慮した取り組みはさまざま。環境への配慮だけではなく、館内履きとして地元・小田原の企業が作るギョサンと呼ばれるサンダルの使用、地元の酒蔵での小涌園の湧き水を使った日本酒の製造など、地域の活性化にも力を入れています。 毎年新たなサステナブルな取り組みを導入していくミッションがある中で、目に留まったのが、CO₂ゼロSTAY®でした。

「新しいサステナビリティ計画を検討しているときに非常にタイミングよくご提案をいただいたのですが、私たちの取り組みに合致していたため、すぐに導入を決めました。」と中村さん。具体的なCO₂の削減量が見える化されていて利用者にもわかりやすいことや、設備投資が一切必要ないことなどから、導入は非常にスムーズだったと話します。
2023年10月、「CO₂ゼロSTAYプラン」がスタート。プラン内容は既存の内容と同じサービスでありながら、特典として「オフセットSTAY証明書」をお渡しするのがプランの内容です。

CO₂ゼロSTAY®で見えて来たお客さまの意識の変化

「プランの販売で生まれる価値は割引などの実質的なものではなく、お客さまご自身の意識に対する価値のみです。導入前は、お客様に受け入れていただけるかという不安があったのですが、実際に販売を開始すると、多くのお客さまにご予約をいただけるプランとなりました。」と中村さん。2024年1月には230名以上のお客さまにプランのご利用をいただいたとのことですが、10月のスタート時点では数ヶ月先まで予約が埋まっていたため、実際にプランが動き始めたのが1月頃だったことを考えると出だしの好調さがうかがえます。

中村さんは、お客さまからもサステナブルな意識を感じているそうです。

「お客さまが自主的にサステナブルな活動に協力してくださっています。フードロスという言葉が一般的になってきたように、ビュッフェスタイルの朝食では多くのお客さまが取り分けたものを残さず召し上がられたり、フリーフードとして設置しているお飲み物やおつまみは必要分だけお取りいただいております。特に海外のお客さまはエコに対する考えがしっかりしていらっしゃるようで、アメニティの提供に関しても『無駄な物質的なサービスはいらないよ』という姿勢が強いように見受けられます。」

非日常を味わう「旅行」という特別な時間を提供する場で、サステナブルを推進することでお客さまに「何かが足りない」という思いを抱かせてしまうことはあってはならないこと。だからこそCO₂ゼロSTAY®はお客様に付加価値を感じていただきながら環境配慮ができる画期的な商品だと感じているそうです。

そして、サステナブルな取り組みは、何よりも持続していくことが大切だと言う中村さん。女将やコンシェルジュといった特別なサービスの持続のために、次の世代を担う人材教育にも力を入れています。

「サービスのレベルを、物質的なものではなく精神的なものであげていく。CO₂ゼロSTAY®はそんな意識の構築のきっかけにもなりました。」

箱根小涌園 天悠のサステナブルな取り組みは、日々進化し続けています。

左より、顧客課 細山妃穂様、支配人 清水敬三様、女将 中村仁美様(箱根小涌園 天悠)

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