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JCD NOW!

JTBコミュニケーションデザインの様々な取り組みをご紹介します。

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クリエイティブ力で解決する、地域の魅力発信と誘客

~45年にわたるデスティネーションキャンペーンの事例から~

JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)は、1978年に現JR6社(※)が始めたデスティネーションキャンペーンにおいて当初から携わり、地域の魅力発信に寄り添い続けてきました。その中で、地域が抱える課題に対してどのような想いをもって解決してきたのかを、長年第一線で旅の広告物を作り続けているクリエイティブディレクターの山田と、アートディレクターの田邉がクリエイターの目線から語ります。
※JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州

  1. 開始当初からデスティネーションキャンペーンに携わり続け、旅の魅力を発信
  2. ビジュアルに欠かせないのはリアリティ
  3. JCDのクリエイティブ力で鮮度の高い提案をするからこそクライアントに選ばれる
  4. その地域の本質的な価値を見つけ、理解し、創造する
  5. 「旅の広告を手掛けたい」その想いを持ったクリエイター・社員が集う

1 開始当初からデスティネーションキャンペーンに携わり続け、旅の魅力を発信

山田
デスティネーションキャンペーン(以下DC)とは、JR6社と自治体や地元の観光事業者、旅行会社などが協働で実施する大型観光キャンペーンです。3ヶ月ごとに対象となる地域が移り、春・夏・秋・冬を通じて実施される観光振興に大きな効果があるキャンペーンとして知られています。DCは1978年に旧国鉄(現在のJR)時代にはじまりました。当社はその頃から、観光地やホテルなど旅関連の実績が多いという強みや、旧国鉄の広告を手掛けていたこともあり、当時から現在に至るまで、長年にわたりDCのクリエイティブに携わらせていただいています。

田邉
DCでは、地元の自治体や事業者がJRと協力して、キャンペーンの機運醸成を図るために様々な広告展開やプロモーション、イベント等を行います。これには、ポスターや観光パンフレットの制作、観光PRイベント等が含まれ、その中でJR側は、路線の駅貼りや中吊り、窓上やドア付近にある額面ポスター等の媒体を活用したプロモーションを実施しています。

JCDでは、そうしたJRの駅や車内に貼られるポスターを中心とした制作を行っていて、私はアートディレクターとしてロゴやポスターのデザインを担当し、撮影の際には現場全体をコーディネートしています。山田さんはクリエイティブディレクターとして、DCの制作物をトータルプロデュースする役割を担っています。

イメージ

2 ビジュアルに欠かせないのはリアリティ

山田
企画を立てる際には、現地を歩き回り、自分自身が肌で感じたことをクリエイティブに落とし込んでいきます。地方を訪れると、「変わらない風景」「変わらない場所」などといわれることもありますが、意外と変わっていることもあるんですね。ですから、現地の最新情報を把握することはとても大事なことなんです。また、長く観光業界のクリエイティブに携わっていると、同じ地域のキャンペーンを再度手掛けることがあります。その際は過去の情報は一度忘れ、再び現地を訪れてスイッチを切り替える事で、常に新たな気持ちでスタートすることを心がけています。

私はクライアントからの要望をそのまま形にするのではなく、一度自分なりにかみ砕き、企画に入っていきます。旅行者がその旅で求めていることは何か。クライアント目線と旅行者目線のバランスを意識して制作することがクリエイターには求められていると考えています。クライアントの要望とズレが生じないように旅行者のニーズをくみ取っていく。そのふり幅の計算も欠かせないんです。

田邉
now-240110-creative-03.jpg旅の広告をデザインしていて大切だと思うことは、リアルの追求です。例えば、撮影した写真を加工する場合、明る過ぎたり、暗過ぎたりするとその良さが伝わらないんですよね。朝は朝なりの、夕方には夕方なりの素晴らしさがあるので、そのリアリティを失うと旅の広告としての価値がなくなってしまうと思っています。また、年に一度しか見られないような景色など、普段その場所を訪れた人が体験できないものを全面に押し出すよりも、訪れた人が「運のいいときに見られる」くらいの写真が、一番リアリティがあって、その地域の魅力を伝えられると考えています。

3 JCDのクリエイティブ力で鮮度の高い提案をするからこそクライアントに選ばれる

山田
私たちが長年にわたり、DCのクリエイティブに携わってこられたのは、今まで作り上げてきたものと同じ提案をしないこと、そして自分が面白いと思える企画を提案しているからこそだと思っています。これはDCだけでなく、他の案件でも変わりません。クライアントは今まで見たことないような新しいものを求めているので、私たちJCDのクリエイティブ力で鮮度の高い企画を提案することが、私がこの仕事に携わる意味だと思っています。

そのためには、多くの切り口を持つことが欠かせません。具体的な旅行者のペルソナをいくつも考えて、それぞれが旅行するときにはどんな表現が刺さるのか、また他のクリエイターだったらこんなアイデアを出すかもしれないなど、視点を少しずらして思考することで新たなアイデアが浮かんでくることもあります。

4 その地域の本質的な価値を見つけ、理解し、創造する

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山田
昔は観光が産業としてあまり注目されていなかったので、クライアントからの要望も抽象的なイメージにとどまるケースが多かったのですが、今はインバウンドの影響もあり、観光自体に注目が集まり、地域の大きな収入源となりました。ですので、DCに限らず、クライアントからは「このエリアを中心にPRしてほしい」、「この素材を取り上げてほしい」などという具体的なオーダーも増えてきています。

しかし、表面に見えている以上に、その地域には多くの魅力が眠っているもので、そのことにクライアントも気づいていないこともあります。要望通りに表現しようとすると旅行者とのズレが生じて、メッセージが届かないのではと感じることがあります。そのため、時にはクライアントの要望を拡大解釈して提案することもあります。その地域の本質的な価値をとことん追求し、フラットな視点で地域の魅力を訴求することが、クリエイターの大事な役割だと考えています。

田邊
DCのクリエイティブはすべて内部で企画し、カメラマンやコピーライターなど信頼が置ける外部スタッフとユニットを組み、ワンチームで行っています。だからこそ、細部に渡ってクオリティをコントロールすることができ、大掛かりなDC案件においても長年にわたり高い品質を維持し、対応することができるのだと思っています。毎回、こだわり続け、手掛けてきた歴代のDCの制作物にはとても愛着があります。

5 「旅の広告を手掛けたい」その想いを持ったクリエイター・社員が集う

田邉
私は旅の広告を手掛けたいと思ってJCDに入社しました。その理由は、学生時代によく見ていた広告の雑誌に、山田さんが制作した広告が何度も掲載されていたからです。JCDには私と同じ理由で入社した人や、旅のクリエイティブやPRに携わりたいという社員が集まっていて、切磋琢磨する環境が整っていると思います。若い頃は賞で受賞することが、世の中に認められたと感じて、それがモチベーションになっていました。ですが、今は自分がいいと思えるものを作り上げた瞬間が幸せですし、次のクリエイティブ制作への原動力にもなっています。

山田
私たちの根底にあるのは、面白いものを表現してみんなに知ってもらいたいという気持ちです。自分自身が楽しみながらクリエイティビティのある作品を生み出し、みんなにも楽しんでもらう。そのスタンスでどの案件にも向き合っていますが、今後もその想いは変わりません。長年制作に携わっていますが、飽きることはないんですね。これからもクライアントの期待を超えるような広告作品を作り続けていきたいと思っています。

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2021年四国DC、B0ポスター

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