- まちづくり・地域活性課題
- Case
2018.05.21
斜里町役場様/知床斜里町観光協会様 事例
「知床ブランディングプロジェクト」
『知床ならでは』の魅力をクリエイティブで実現。
世界自然遺産エリア「知床」を有する斜里町様。世界遺産登録から10周年の2015年、あらためて知床から発信するべき魅力を見直し、統一的なブランディングイメージのもとで、情報発信・誘客宣伝を進めるプロジェクトをスタートさせました。
当社クリエイティブディレクター&コピーライターの初海淳を中心に、写真家・石川直樹氏、デザイン・キャラクターの株式会社トラウトが地元のミニコミ誌などと連携し、クリエイティブチームとして知床ブランディングプロジェクトを推進しています。
お客様のご要望
知床エリアの観光は50数年の歴史があります。これまでに、観光船運行や知床国立公園の指定、知床旅情ブーム、知床横断道路の開通、そして2005年には世界自然遺産登録がありました。しかし入込客数は、1998年度の182万人をピークに減少を続け、2014年度には114万人余りまで落ち込んでいました。歴史があるが故に、観光イメージの固定化が課題とされていたのです。そこで、この状況を打破するために、従来の価値観や歴史にとらわれず新しい知床を打ち出し、新たな「知床ブランド」を打ち出す取り組みをスタートさせたいということが斜里町様のご要望でした。
当社からのご提供内容
『知床ならでは』の価値創造を目指す
斜里町様と同じく、イメージの固定化が課題と考えた当社クリエイティブチーム。従来の知床の観光地像を転換すべく、新たなコンセプトの検討を開始しました。その過程で、世界自然遺産という観光資源に更なる強みを見いだせる、「自然を体感する観光地」というコンセプトが浮上。自然を「見る」だけの観光地から、自然そのものを「体感し・体験できる」観光地へ。こうして、観光ブランドメッセージ「体で感じる世界遺産。SHIRETOKO!」が生まれました。
このコンセプトとブランドメッセージのもと、「知床と、遊ぼう。」「DO-CO CO-CO? SHIRETOKO!」のキャッチコピーや「知床」ロゴマーク、ポスターデザイン、ブランドシンボル「知床トコさん」などを制作。来訪者へ向けたブランド接点を整備し、新たな知床ブランドの浸透を図っていきました。
観光ブランディングから、エリアブランディングへ
観光ブランディングを進めるにつれ、クリエイティブチームは『自然を体感する観光地』を支えている、流氷を起点とした海と森の生命のサイクル。そして、それを大切に暮らす人々の存在こそが、斜里町および知床エリアの魅力的な資源であると気づきました。
こで、観光に留まらない知床エリア全体のブランディングへ踏み出しました。知床エリアの魅力を発信するブランドメッセージ「SHIRETOKO! SUSTAINABLE」「海と、森と、人」を掲げ、観光だけではない知床の価値を伝える言葉とシンボルを開発。地域有志の方々と連携し、知床エリアのブランドサイトやブランドブックも制作し、地域内と地域外を総合的にデザインしていきました。後に住民票やポイントカードのデザインにまで広がることとなり、観光の領域だけでなく地域コミュニケーションに深く根を張るブランディング活動へ繋げることができました。
・知床ブランドサイト SHIRETOKO! SUSTAINABLE
http://www.shiretokohokkaido.com/
ブランディングの入口から出口まで統合的に携わることで、斜里町様や知床エリアの方々と共に、地に足のついた丁寧なブランディングを実現することができました。特に評価していただいたのは、ブランドシンボルを用いた試みとして、「知床トコさん公式グッズ」を限定販売したこと。グッズは好評を博し、知床の新たな収益源を生み出すことができました。また、地域活性化イベント「知床流氷フェス」「写真ゼロ番地知床」のクリエイティブ・ディレクションなども手がけました。今後も、従来の手法にとらわれず、斜里町や知床エリアの人々の暮らしに息づくブランディングの実現を目指し、ブランドに対する思いや価値観を地域の人とも共有しながら、地域共創を目指す中長期的な取り組みを行っていきたいと思います。
・「知床流氷フェス2018」 2018/1/30(火)~2/28(水)開催
https://blog.shiretoko.asia/2017/12/2018130228.html(知床斜里町観光協会サイト)
・「写真ゼロ番地 知床」
https://shiretokophotofes.wordpress.com/