- まちづくり・地域活性課題
- Case
2020.01.28
名古屋城年間イベント企画運営委託業務 事例
“市民が誇れる城づくり”をテーマに
名古屋城を舞台とした年間イベントを実施。
名古屋観光に欠くことのできないランドマーク・名古屋城のブランド力の向上と入場者数の増加を目的とした年間イベントを展開。"市民が誇れる城づくり"を柱に多様なイベントを企画・実施しました。
お客様のご要望
名古屋市という都市の魅力向上、イメージ向上を担う「愛知県名古屋市役所 観光文化交流局」の中に位置する、名古屋城総合事務所様から前年に引き続きご依頼をいただいた年間イベント。名古屋城は後世へ継承していく史跡・文化財であることを理解、配慮しながらイベントを行うこと。また、市民の愛着や誇りへとつながるイベントをめざすことが求められました。
コンセプトの礎は「城づくり=まちづくり」
年間200万人の観光客が訪れる名古屋城は、名古屋市のシンボル。ですが、事前のリサーチでは名古屋市民の愛着が薄いという結果が出ました。どうすれば市民が行きたい名古屋城、ひいては誇れる名古屋市になるのか。観光客に興味を持ってもらうことはもちろんですが、まずは市民が誇れる城づくりをしていくことが先決です。市民の名古屋愛の醸成が、魅力あるまちづくりにつながっていくことを提案の主軸としました。
2019年夏〜2020年春にかけた年間イベントの、全体コンセプトは「NAGOYA-JO Interactive」。名古屋城でさまざまな対話が生まれ、多様な人・コト・モノ・文化・価値・歴史などの掛け合わせ交流が生まれることへの願いを込めました。この「NAGOYA-JO Interactive」というコンセプトに集約できる、季節ごとの大型イベント、名古屋城を会場としたユニークベニュー、継続性のある参加体験・学習プログラムの実施をめざし、企画運営を行いました。
実施イベントの一例
<夏まつり>2019年8月9日~18日
盆踊り×現代音楽 インタラクティブ
名古屋城の恒例行事となっている、個性溢れる盆踊りをブラッシュアップ。伝統的な盆踊りと現代音楽を組み合わせた「BON DANCE」を実施しました。木造天守閣の建て替えにちなんで、ヒノキ材を使ったオリジナルの木造盆踊り櫓も制作。飲食屋台「鯱食堂」を設立し、メニュー作りと空間の造作にも工夫をこらしました。「鯱食堂」は秋まつり、冬まつりでも継続し、好評いただきました。
<秋まつり>2019年10月12日~11月17日
観光客×伝統文化 インタラクティブ
2020年夏までの改修工事に伴い、これまで名古屋テレビ塔付近で実施していた人気イベント「Social Tower Market」を引き継いだ、「Social Castle Market」を名古屋城で実施。名古屋城の隅々にまで、雑貨店や飲食店など約170店舗が軒を連ねました。そのほか、火縄銃の実演や民俗芸能「棒の手」の公演など、名古屋に伝承されている伝統文化を紹介するコンテンツも多数開催しました。
<学習プログラム>2019年10月12日~10月13日
子どもたちをターゲットにした、楽しんで学べる「なごやじょい」を実施。ワークショップを中心に名古屋の文化であるモノづくりに、親子で触れて学べる場を提供しました。
<ユニークベニュー>2019年11月16日
文化財×海外発DJイベント インタラクティブ
イギリス発祥の音楽イベント「BOILER ROOM」を名古屋城で開催。DJには名古屋にゆかりある人を選定、日本人だけでなく外国人も多数集い、エキサイティングな夜を楽しみました。
<冬まつり>2019年12月31日~2020年1月13日
ライブ×風俗画の再現 インタラクティブ
大晦日には、ご当地ユニット「TEAM SHACHI」、ラッパー「呂布カルマ」「Campanella」といった名古屋にゆかりあるアーティストが出演するカウントダウンライブを開催。本丸御殿の障壁画にある「綱引き」を再現した「名古屋城大綱引き大会」も行われ、賑やかな年越しとなりました。年明けには、凧あげや羽子板を使った的当てなどお正月遊びを体験できる 「えんにちサーカス」を開催。
<春まつり>
ただいま企画中
担当者インタビュー
Q今回の事業における、具体的な業務内容は?
2018年から継続受託いただいた事業で、今年度が2年目。イベントの計画から実施運営まで、統括担当させていただきました。責任者として、会場装飾・造作、ステージ演出、仮設飲食店運営、告知物の作成、そのすべてのプロジェクトに関わります。名古屋城という文化財の魅力を新しい切り口で伝えられるよう、名古屋城様と連携を取りながら、協力会社や市内のコンソーシアムと組んでイベントを進めています。
Q年間イベントを行うにあたり、留意したことは?
伝統文化や歴史に現代のトレンド、現代人が興味あるジャンルをどう掛け合わせるかが、イベント全体の大きな課題。さらに、一つひとつのイベントに名古屋城で行う意義を見出していく過程に時間を要しました。私自身、以前から日本の伝統文化や歴史に興味がある方でしたので、古今の掛け合わせにワクワクできるかどうか、自身の感覚も大切にしました。
Qどんな時に、イベントの手応え、市民の意識の変化を感じましたか?
アンケート結果から、前年より名古屋市民の来場者が増加していることが分かった時は嬉しかったです。また、今回はアンケートのコメント欄にたくさん感想を書いてくださった来場者が本当に多くて。市民の名古屋城への興味・関心、期待値があがったと実感できました。ぎっしりと書かれたコメント欄が、目に見える潜在的な変化の証だと思いました。
Q今後の展望を聞かせてください。
初年度は下積み、今年度のイベントではしっかり基盤を築けたので、今後はノウハウや人脈を活かして、新たな仕掛けに挑戦していきたいと思います。また、この名古屋城のプロジェクトを通して、自身も知らなかった名古屋の魅力に触れる機会が数多くありました。今に残る伝統文化や、名古屋市の都市部分を流れる唯一の川である堀川周辺、東海道沿いの古い街並みが残る有松、秋のパリ祭など活気を取り戻す円頓寺商店街・四間道など、名古屋には紹介したいコンテンツがまだまだあります。名古屋という地域を盛り上げていく地域プロデューサーとして、もう一歩広い視点から名古屋城、そして名古屋市全体の魅力発信に力を注いでいきたいと思います。