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【保存版】ポストコロナのインバウンド対策、担当者がまずすべきこと

ターゲット設定はより具体的に!
効果の高い訪日プロモーション戦術を立てるためには?

コロナ禍において、訪日外国人市場は厳しい状況が続いていましたが、今後訪日外国人観光客の受け入れについて段階的な再開がされること、また、世界の「旅行・観光競争力ランキング」で、日本が初めて1位になったというニュースなど、インバウンド市場においても明るいニュースが増えてきました。(2022年6月現在)市場回復にむけ、自治体や企業のインバウンド担当者はまず何をすべきなのでしょうか? そこで今回は、数々のインバウンドプロモーション実施の最前線にいる、エリアマネジメント部プロモーション事業局の加藤より、初めてインバウンドに携わるという方にとってもわかりやすい形で、「最初に何をすべきか?」をご紹介します。

  1. インバウンド担当初心者が最初に押さえておくべきこととは?
  2. まずは自分たちの現状を理解し、棚卸しする
  3. ターゲットを見据えた効果の高いプロモーション戦術を立てるためには?
  4. 目に見えにくいプロモーションの効果をどう検証すべきか?
  5. ポストコロナのインバウンド対策に向けた種まきのチャンスは今!

1 インバウンド担当初心者が最初に押さえておくべきこととは?

まず、ターゲットとする国を一括りにしないことが大切です。私はJCD入社以降、長く国や官公庁、地方自治体を主なクライアントとして、現地でのイベント実施やメディア展開をはじめとするインバウンドプロモーションを行ってきました。多様なクライアントと関わる中、「この国にプロモーションをしたいけど、どうしたらいいのか」というご相談をいただくことが多くありました。インバウンドだからといって特別な考え方をする必要はなく、意識すべきことは国内でのプロモーションと変わりません。日本人の趣味嗜好がそれぞれ異なるように、外国人の好みも一人ひとり異なります。国ごとで市場を一括りにするのではなく、原則ターゲットを絞る、ターゲットの趣味嗜好を念頭におくということは変わらず、プロモーションを行う必要があります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で私たちの生活意識は大きく変わりました。同様に外国人の生活や考え方、コミュニケーションについても変化しています。インバウンドプロモーションにおいても、ウィズコロナ・ポストコロナの世の中では、人々の意識が大きく変わっているということを覚えておきたいですね。

2 まずは自分たちの現状を理解し、棚卸しする

狙うべきターゲットや打ち出すポイントを明確にするために、現状把握、つまり一度棚卸しをすることが欠かせません。なぜ外国人に来てほしいのか、その理由を自分たちの中で洗い出し、「外国人目線」でどのようなコンテンツが受け入れられるのかを分析しましょう。また、肝心の受け入れ体制も確認しておく必要があります。プロモーションの結果、多くの外国人が来てくれたとしても、その人数や要望に対して適切に対処できないとなると問題です。実際に外国人観光客をどれくらい受け入れられるのか、多言語対応はどこまでできているのか、 移動手段や宿泊場所は確保されているかなどを把握しておくことも重要です。

自分たちの現状把握ができたら、次にやるべきことはアピールしたい市場(国)を知ることです。オープンデータを活用し、外部分析による市場把握を行いましょう。日本に来る中で多い月はどこなのか、どんなことを目的に来日しているのかなど、基本的なデータは観光庁やJNTOのホームページなどをはじめ、様々なソースを活用しながら市場を理解していきます。

概要を掴んだら、自分たちが置かれている状況・ポジションをしっかりと把握するために、独自調査で深堀りしてみることをおすすめします。このように、オープンデータにはない情報を把握しておくことで、より独自性の高いプロモーションに繋がります。実際に日本に住んでいる在留外国人を活用し、グループインタビューなどを行うのも調査として有効な手段です。

以前JCDでも、市内周遊施策を打ち出すにあたってこのような調査を行いました。オープンデータだけの情報からではなく、外国人目線で見た地域の現状をしっかりと把握するため、在日外国人を対象にしたグループインタビューや、彼らへ実際に市内を巡ってもらう形でモニター調査を実施。調査結果から現状分析を行うことはもちろん、そこから導き出された今後目指すべき方向性の策定や、目的達成に向けて必要だと思われる施策の提言まで行わせていただきました。

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30年以上積み重ねたインバウンドプロモーションの実績があるJCDでは、在留外国人のネットワークをいかした独自調査も得意としています。もちろん海外現地での独自調査やグルインから動画やサイトの閲覧調査等も対応しており、生の声を聞くことでよりリアルな情報が手に入り、外国人目線に立ったプロモーションを行うことができます。

3 ターゲットを見据えた効果の高いプロモーション戦術を立てるためには?

ターゲットが見えてきたところで、今までの分析で把握した情報を整理しましょう。自分たちが置かれているポジション、強みと弱み、打ち出すポイントなどを整理し、それを踏まえて具体的なプロモーション戦術を決めていきます。戦術は目的とするフェーズによって変わってきます。認知の向上・興味関心の醸成・行動の促進など、プロモーションを行う目的によって仕掛け方が大きく変わってくるため、自分たちが何を目的としてプロモーションをするのか、予めはっきりさせておく必要があります。

一例として、イギリスやアメリカなどの欧米市場をターゲットとする高尾山周辺エリア(八王子市、あきる野市、相模原市、大月市、都留市)のWEBサイト制作についてご紹介します。ターゲットは、何度も日本を訪れるリピーターの中で、TOKYO WESTSIDEエリアが持つディープな雰囲気・コンテンツ・魅力に興味関心を持ってもらえる人と設定しました。また、エリアとしては多くの外国人を受け入れられる体制ではないことを地域関係者・旅行関係者へのヒアリング・調査等を通じ把握していたため、よりマニアックで、このエリアのファンになってくれる人を増やすことをプロモーションの目的としました。

WEBサイトは外国人ライターに執筆を依頼。ターゲットへ刺さる表現にすることは非常に重要なポイントとなります。掲載情報やコンテンツの取捨選択にあたっては、海外メディアや旅行会社の人へアクティビティなどを実際に体験してもらうことで、エリアの魅力・強みを発見するなどの工夫を凝らし制作を進めていきました。ターゲットの興味関心をしっかりと引くべく、数多くのコンテンツ候補の中からどういった情報・ポイントにスポットを当てて掲載するべきなのか・・・サイト内の周遊性も意識しながら進めていくことには苦労しましたが、海外向けのエリア観光情報を1つに集約し、魅力訴求を行える重要なポータルサイトとして、活用いただいています。

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TOKYO WESTSIDE Official Travel Guide
https://tokyowestside.com

置かれているポジションやプロモーションの目的、ターゲットなどによって、戦術は様々です。また、コロナをきっかけに、コミュニケーション手法が変わりオンライン比重が高まっていること等も念頭に置く必要があります。WEBサイトや動画を制作して魅力を伝えたり、メディアなどで情報発信をしたり、現地でイベントを行ったりするなど手法は多様にあるので、整理した情報に基づいて、最適だと思われるものを行っていきましょう。

4 目に見えにくいプロモーションの効果をどう検証すべきか?

実施したプロモーションが果たして効果的だったのかどうか、検証を行うためにもKPIを設定しておきましょう。そのKPIも目的に沿った目的別の設定でなければなりません。例えば「認知の向上」が目的であれば、どこまで高めたら認知が高まったといえるのか。人それぞれ認識が異なるので、共通認識としたKPIを設定しておくことが必須となります。KPIを設定し、実施と検証を繰り返しながら最適なプロモーションを継続してブラッシュアップしていくことが、インバウンド成功の鍵になると考えています。

5 ポストコロナのインバウンドプロモーションに向けた種まきのチャンスは今!

市場スピードが速く、変化も激しいインバウンド市場。これからまさに市場が回復しはじめようとしている今こそ絶好の種まきのチャンスです。海外との往来が活発化してから対策し始めたのでは、競合と比べて出遅れてしまう危険性が高くなります。

また、新型コロナウイルスの影響は市場に確実な変化をもたらし、今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなるなど、旅行そのものの目的が大きく変わろうとしています。そうなれば、今まで日が当たらなかったところにも日が当たるようになるでしょう。それをチャンスと捉えて、どうしたら人を呼び込めるのかを考えなくてはなりません。感染リスクを考えたアウトドアコンテンツ・アドベンチャーツーリズムへの意識が高まり、取り組みが盛んになっていることは一例として言えると思います。また同時にSDGs意識の高まりも受け、SDGsに着目したマーケティング、プロモーション活動も盛んになってきています。市場の変化をより早く、丁寧かつ確実に掴むことは、今までになかったチャンスを広げ、新たな取り組みの実現にも繋がっていくはずです。それを逃さないよう、情報へ敏感になりながら、コミュニケーションを取り続けることが、今までよりも重要になってくると考えています。

JCDのインバウンドプロモーションは、インバウンド黎明期から取り組んできた歴史があり、豊富な知見・ノウハウが蓄積されています。そのため、それぞれの国ごとに異なるプロモーションのポイントを押さえています。また、提供できるソリューションも幅広く、最新のトレンドや情報を熟知した現場担当者がいることが強みです。コロナ禍においてもデジタル施策を中心として様々な打ち手に取り組んできています。

◆JCDのインバウンドプロモーション
https://www.jtbcom.co.jp/service/promotion/inboundpromotion/

◆関連事例
日本政府観光局(JNTO)グローバルキャンペーン「Enjoy my Japan」
https://www.jtbcom.co.jp/article/inbound/1296.html
新しいインバウンド需要、VFRとは?在留外国人活用の可能性
https://www.jtbcom.co.jp/article/inbound/1284.html

これからのインバウンド事業を盛り上げるべく、当社も積極的に取り組んでいます。インバウンドでお悩みの地域や企業の力になっていければと思っていますのでぜひご相談ください。今後も、日本の魅力を世界に発信していくために、最大限の効果をもたらすプロモーションのご提案をしていきたいと思います。

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