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2020.10.26
ビジネスマッチングを加速する「ハイブリッド展示会」
ニューノーマル時代の幕開けを体感する新しい展示会、2020年12月始動
展示会が新しい時代を迎えようとしています。そのきっかけは、いうまでもなくコロナ禍によるものです。これまで多くの人々を集めて対面式で行われてきた展示会やイベント・見本市が、大きく変わります。その先駆けとしてリアルの展示会にオンライン展示会を融合させた"ハイブリッド展示会"を、2020年12月に開催します。これまで数々の展示会イベントを成功へと導いてきたトレードショー事業部の瀬島が、ニューノーマル時代における展示会・イベントの新たな可能性について語ります。
JCDならではのハイブリッド展示会
今年で20年目を迎える「nano tech2021 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」が、2020年12月9日(水)11日(金)の3日、東京ビッグサイトで開催されます。来場者の約半数がR&D関係者や研究者で占められる本展示会は、「nano tech2021」のもと、「ENEX2021 第45回地球環境とエネルギーの調和展」など、関連する16の展示会が同時開催されるビッグイベントです。本展示会は、これまで素材・加工・計測とその応用の最先端技術が集まる総合展示会として、出展者と来場者双方に認知され、今日の地位を築き上げてきました。
コロナ禍が及ぼしてきた社会的な影響は、展示会ビジネスにおいても例外ではありません。展示会のあり方も新しい時代に対応するために、JCDトレードショー事業部では今年度リアル展示会をオンライン展示会に切り替えて実施するなどの取り組みを行ってきました。リアル展示会とオンライン展示会を同時に開催するハイブリッド展示会は、今回が大きなチャレンジとなります。おかげさまで、現時点で450社・700小間の出展者にご参画いただいています。実際に会場に来られる来場者も15,000名を見込んでおります。これにオンライン展の参加者も加わると、全体で40,000名を越える規模の展示会となるでしょう。
今年のコロナ禍の状況では、実際に全国の業界関係者が一斉に集まって、最先端の技術に触れたり、直に意見交換・情報交換したりする交流が難しくなってきてしまいました。
JCDがこれまで得意としてきたのは、商談やリード獲得の機会を作ることを目的としたBtoBの展示会です。展示会のメリットとは、出展者にとっては、自社の商品や技術をたくさんの来場者に紹介できることであり、参加者にとっては、さまざまな分野の最新の技術やサービスが一堂に会した場で肌で感じられ、ビジネスのアイディア創出や商談機会を作ること。展示会で出展される技術や製品は、まだ開発段階途上のものも数多くあります。こうした開発途中のものであっても、直に来場者の声聞くことで、マーケットの反応を知ることができるのです。
出展者も来場者も「ビジネスで何かを生み出すきっかけ」を掴めることを求めている中、オンライン展示会の仕組みにおいても、人と人が出会う"リアル"を感じさせることは、とても重要だと考えています。
今回ハイブリッド展示会を初めて開催するにあたり、JCD内でお客様が何を求めて展示会に参加するのか、改めてじっくりと検証しました。ハイブリッド展示会を成功させるために、スタッフ総勢でできるだけ多くのお客様にヒアリング。どのように実施すれば出展者・来場者双方に喜ばれるのかを探ってきました。
展示会に足を運んでくださるお客様は、新しい技術や製品を積極的に見つけたいと考えているとても熱意のある方々です。こうしたお客様に実際に会えるという点は、何よりもリアルな展示会ならではのメリットでしょう。一方、興味はあるけど足を運ぶまでには至らないといったお客様にとっては、オンラインを活用することで、展示会参加へのハードルが低くなる。潜在的なユーザーに、展示会へ参加するチャンスをもたらします。
こうした技術系の展示会では、海外からの来場者が多いのも特徴です。来場者サイドにとっても、コロナ禍で渡航がままならない昨今でも、オンラインを使うことで参加できる点は、メリットとして注目されています。もちろん地方から参加される方にとっても同じことが言えます。
ハイブリッド展示会のメリットとは?
今回のヒアリングで、お客様が展示会に何を求めているのか、改めて知ることができました。大きく分けると「情報発信機会の充実」「商談機会の最大化」そして「顧客情報の取得」を目的とされていることがわかりました。これらの点を叶えるために、オンラインならではのメリットを最大限に活かすべく企画しています。
「情報発信機会の充実」という点では、来場しなくてもオンライン上でアップされた製品情報やカタログ資料の閲覧ができることがメリットとなります。動画コンテンツを使って、実際の商品のデモの様子などを見せることも可能です。
「商談機会の最大化」は、なによりも出展者の関心が高いところ。これについては事前商談アポイントシステムを導入したのが評判になっています。12月の展示会開催前に、前もって見込み顧客の絞り込み・営業活動ができる点は、オンラインならではのメリットでしょう。この他にもオンラインテレビ電話機能や自動スケジューリング機能、潜在顧客自動レコメンド機能、全登録者へのアプローチなど、オンラインだから可能になる顧客メリットを拡充できました。
「顧客情報の取得」につながる部分では、展示会終了後も展示会のアーカイブやセミナー閲覧ができることで、資料ダウンロード者情報や動画コンテンツ視聴者情報を取得することでき、これまでよりも多くの潜在顧客の情報を得ることができます。
こうしたオンライン機能を備えたことによって、私は展示会そのもののあり方が大きく変わると考えています。今までは開催される日時(例えば3日間)だけで成立していた展示会が、ハイブリッド化することで長期間運用効果が見込まれます。まさにハイブリッド展示会は、どこからでも参加できるという空間の広がりに加えて時間軸でも広がりをもつことで、展示会そのもののあり方の大変革だと思っています。
実は今回の展示会そのものは12月に開催されますが、先ほどお話しさせていただいた来場登録や事前商談アポイントシステムの利用は、10月26日より始まっています。つまり展示会の会期前に、お客様と出展者が事前にやり取りが可能になるわけです。前もって課題や問題点をセグメントした上で、実際に展示会で会って話を詰めていける。これがハイブリッド展示会の大きな魅力となるはずです。今までリアルの展示会では、お互いが初めて会ったその場で「はじめまして」と挨拶からスタートしてきたことを鑑みれば、事前に接触できる点は、マッチング精度の飛躍的な向上が見込まれます。この点をとってみても、ハイブリッド展示会のもたらす効果は、一目瞭然だと思うのです。
リアルとオンラインそれぞれに、盛りだくさんのコンテンツ
出展者・来場者・オンライン参加者が、展示会3日間でそれぞれメリットを実感していただけるコンテンツを多数用意しております。新型コロナウイルス感染防止対策をとるため、本年は完全来場登録制にしました。事前に公式サイトから来場予約すれば、全16の展示会に相互入場が可能です。当日来場者には直接商談に進むことはもちろん、「新型コロナウイルスにどう立ち向かうか」といった、社会課題をテーマにしたシンポジウム・セッションを無料で視聴できます。会場にお越しになる方は、直接出展者の製品や技術に触れることができます。最新技術を肌で感じていただけるのは、一番の来場メリットとなるでしょう。また出展者のセミナーに関しては、海外や地方から来られなかった方々を対象に、事前に収録したオンラインセミナーを12月9日~11日と1月13日~15日の、6日間限定で配信します。
展示会における最大のポイント、商談の機会創出においても今回JCD独自の事前商談アポイントシステム(特許5843841号)に、世界中で使われているオンラインミーティングビデオ会議ツールであるCisco Webexを連携。従来のビジネスマッチングシステムに、新しくオンライン上でも商談機能がつき、展示会場のみならずどこにいてもネットさえあれば全ての参加者にコンタクトをしたり、ビジネス商談をすることが可能となりました。
このシステムのメッセージ機能を使えば、参加者へのお礼や次回イベントの告知など、事後コンタクト・フォローアップを展示会会期終了後もお知らせするコミュニケーションツールとして利用することができます。
現段階でも多くの顧客の方が参加を表明されていることからも、ハイブリッド化された展示会にはニーズがあると思っています。出展者・来場者双方の期待に応えられるよう、これからも取り組んでいきたいと思っています。
「nano tech2021 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」は、これまでの展示会以上に進化してお届けします。来場者様は無料で登録・参加できますし、商談を始めることもできます。ぜひこの機会にリアルとオンラインが融合したハイブリッド展示会を体感してみてください。