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グローバルSMMで切り拓くビジネスの未来

世界のミーティングビジネスの潮流の中、
日本がいま取り組むべきこと

2018年8月、JTBコミュニケーションデザインは、CWT Meetings & Events(以下 CWT M&E)社との、Strategic Meetings Management(以下、SMM)における業務提携基本契約の締結、また、日本でのSMMプログラム構築サービスの提供開始を発表しました。

以来、日本におけるSMMサービスの提供拡大に向けた体制作りを両社で進め、2019年2月19日には、「グローバルSMMで切り拓くビジネスの未来」と題したお客様向けセミナーを開催しました。セミナーは、CWT M&E社のKari氏による基調講演「SMM世界潮流とCWT/JTBのパートナーシップの意義」に始まり、その後、JCDのSMM推進部長である吉武の「SMMの日本市場におけるローカライズについて」の講演、また「Event Technologyの未来」と題した講演を行いました。本記事では、セミナーの内容をレポートするとともに、JCDが目指すSMMサービスについてご紹介します。

セミナーレポート「グローバルSMMで切り拓くビジネスの未来」

1.基調講演 「SMM世界の潮流とCWT/JTBのパートナーシップの意義」

―Speaker――――――――――――――――――――――――――――――――

Kari WENDEL

Kari WENDEL
Vice President,Global SMM Strategy & Solutions
CWT Meetings & Events

Iowa State Universityのマーケティング学士号並びにRochester Institute of Technologyのマーケティングおよび国際経営のデュアルMBAを取得。ミーティング、旅行、調達の分野で25年以上の経験を持つ。SMM戦略とソリューションのグローバルVPとしての役割を担い、戦略的な専門家チームを率いてSMMプログラムのクライアントへの導入とその管理・改善の実行とCWT M&E独自のコンサルティングを強力に推進。また業界初のプロフェッショナル認定資格を取得し、同時にSMM成熟度モデルを関係機関と共同開発中。
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SMMとは

SMM(Strategic Meetings Management)という言葉は2004年にアメリカで誕生し、その後15年間で市場の状況変化に応じて、解釈が少しずつ変化していきました。現在では、SMMとは、企業のミーティングやイベントに関わる「戦略策定」「実施プロセス」「サプライヤーデータ」等を全体統括管理することで、企業全体のビジョン達成や事業課題解決に貢献するコンサルティングビジネスと定義しています。私たちはSMMプログラムを導入することで、クライアント企業におけるミーティングの品質向上や品質の可視化、経費コントロール、リスク軽減、参加者満足度向上に貢献します。

SMMのよくある誤解として、その目的がベンダーやサプライヤーに費やした経費管理であると解釈されることもありますが、SMMの本来の目的は、企業の方針や目的・目標の達成という点にあり、決してミーティング自体のROI最適化だけがゴールではありません。

SMMがもたらす価値として3つ挙げるとすると、①コスト最適化、②リスク低減、③サービス品質の向上があります。ただこの価値も、短期での効果を期待しすぎると成功は見込めません。SMMの取り組みは「Journey(旅)」であり、ある程度の忍耐と長期的目線が必要になります。というのも、SMMの取り組みの中ではステークホルダーの理解を得ながら進めていくことが最も大切であるからです。我々は15年間、SMM市場における実績を重ね、あらゆる企業の成功例と失敗例を蓄積していますので、そのノウハウもお伝えしながら、企業様に合わせた進め方をご提案していきます。

日本市場におけるSMMの推進

今回我々がJCDとの提携を決めたのは、我々の多くのグローバル展開するクライアントから日本にもSMMを拡大したいというニーズがあり、そこで、日本でミーティング&イベントビジネスにおける高い実績があり信頼の厚いJCDとパートナーシップを組むことで安心して日本での展開を任せられると判断したからです。JCDにとっても、SMMビジネスのノウハウを十分にもっているCWT M&Eと組むことで、SMMマーケットに参入することができるというのが今回のパートナー契約の意義であり、これにより戦略的なパートナーシップを締結することができたわけです。

今回、日本でのSMMの取り組みを開始したわけですが、必ずしも日本での進め方は他の各国と同じではないということを実感しています。日本には、独自の商習慣がありますし、慎重なステークホルダーエンゲージメントも求められ、また言葉の違いもあります。これらは日本市場にSMMを導入する上での想定外の課題ではありましたが、我々はJCDとともに、日本とグローバルの商習慣のバランスを取りながらチャレンジを進めていきます。

Kari氏講演

 

2.講演「SMMの日本市場におけるローカライズについて」

―Speaker―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

Kari WENDEL

吉武 耕
株式会社JTBコミュニケーションデザイン
ミーティング&コンベンション事業部 SMMチーム 推進部長

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なぜ、SMMの日本での実現はハードルが高いのか?

Kariさんのお話の中で、日本市場におけるSMM推進のチャレンジについて語って頂きましたが、SMMを日本にローカライズするにあたっては、やはり文化の特徴や日本独自の商習慣に留意する必要があります。 では、文化の特徴、商習慣によるハードルとしてはどのようなものがあるでしょうか。

考えられるキーワードとしては、まず、「ペーパーレス化の壁」があります。データ化を進めるとはいえ、まだ紙社会という会社も多いのではないでしょうか。

それから、「多様な文化への順応」という課題もあります。言葉の面での課題や他文化の理解がまだ十分でなく、ミーティングでは、コミュニケーションの取り方や会議の進行方法に他文化との違いが表れてきます。また日本では「おもてなし」を重んじるがために、参加者への配慮としての提供物や演出に関して若干過剰とも思える用意をしてしまうというところもあります。それから日本の多くのミーティング会場施設では、六曜(ろくよう)に基づいてウェディングを優先的に予約する「婚礼ブロック」と呼ばれるものが存在します。これはグローバルで見た会場手配では見られない文化です。

私ならこれらに加えて、「根回し」という言葉も入れたくなります。 結果が伴う会議の前には「十分な根回し」が必要だと考えるビジネスマンは多く、これも実に日本らしい部分であると感じます。

SMMを日本で実現するために

これまでに日本の商習慣がもたらすハードルについてお話ししましたが、これらの課題や各企業に存在するハードルを克服して日本でSMM導入を目指すとき、必要になるのは、ミーティング&イベントについての卓越した知見とSMMについての専門知識だと考えます。

JCDではこれまでに多くのミーティング&ビジネスについての実績があり、また、今回のCWT M&Eとの提携により、JCD内にCWT M&EのSMMに関するトレーニングを受けた社員を中心としたSMM専門チームを立ち上げました。JCDは、各企業様が日本でSMMに取り組むお手伝いをすることで、各社の事業目標の達成をご支援してまいります。

吉武講演

JCDが取り組むSMMとは

SMMとは、企業にとって重要なコミュニケーションの場であるミーティングやイベントに関わるサプライヤーやコスト、分析データ等を企業全体で一括管理することで費用対効果を最大化し、リスクマネジメントや事業戦略を実現するための取り組みです。具体的には顧客企業の意思決定者に対して顧客の立場に立って次に何をするべきか、どんな改善や取り組みが必要かを一緒になって考える活動、すなわち「ステークホルダーエンゲージメント」をベースにして会議申請登録・目的把握・会場手配・立案・運営・参加者体験・予実管理・データ分析レポート等の活動を一貫した戦略とポリシーに則って実行支援・全体管理を行います。

SMM_3.png

SMMモデル

 

昨今、ITや製薬、エネルギー、保険、金融等の業界で、グローバル展開によりミーティングやイベントに関わる経費が大きな額を占める欧米企業では、各部署が開催する案件を独自に企画、実施するのではなく、一定のプロセスの下で一元的に管理するSMMプログラム導入の動きが加速しています。

実際に日本においてもグローバルで推進するSMMプログラムの導入を検討する企業が増加傾向にありますが、日本において導入しようとする場合、日本独自の商習慣や交通・宿泊・会場手配の方式やコンプライアンス規定を踏まえ、カスタマイズしたプログラムとして導入していく必要があります。

今回、米国でSMM事業を確立し、業界の先駆者としてグローバルに事業展開するCWT M&Eと日本でMICE開催に多くの実績のあるJTBコミュニケーションデザインが提携することで、日本でSMMプログラムを導入したい企業に対して、CWT M&Eの保有するSMMのノウハウを持ったJCDの社員が日本独自の商習慣に合わせて提供することが可能となりました。これから日本市場において弊社はCWT M&E社と連携しながら、共同でSMMサービスを提供していきます。グローバルで事業を拡大し、お客様の新たなビジネス機会に貢献していきます。

・SMM事業紹介ページ:https://www.jtbcom.co.jp/service/convention/smm/

 

■本件に関するお問い合わせ先

JTBコミュニケーションデザイン ミーティング&コンベンション事業部 SMMチーム
TEL:03-5657-0605

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