―外国人観光客をめぐる自治体職員の期待と悩み―
全国の地方自治体のインバウンド施策の現状と課題
【調査結果のポイント】
※全国の地方自治体でインバウンド(訪日外国人旅行)業務に携わる職員515人にアンケート調査を実施し、
結果をまとめました。
1. インバウンド施策によって期待できるのは、観光名所や地元飲食店・宿泊施設の"経済的なメリット"。
都市圏以外で特に期待感が強い。
2. インバウンドの促進施策を実施しているという回答は74%。
「実施している」のは、「オンライン広告やSNSを活用した情報発信」「観光パンフレットやガイドブックの制作・配布」。
「効果があった」のは、「外国語対応のウェブサイトや観光案内所の設置」「オンライン広告やSNSを活用した情報発信」「外国人旅行者向けのキャンペーンや割引サービスの提供」。
3. インバウンド旅行者にアピールする観光スポットは、「歴史的名所」や「イベント・祭り」「街並みや商店街」。
4. インバウンド施策実施における課題は、「インフラや交通アクセス」「インバウンド旅行者を受け入れる体制」「費用対効果」「効果測定の方法」。都市圏以外で課題感が強い。
5. インバウンド施策の効果を測定しているのは56%。測定方法の最多は「訪日外客の数」。
6. DXに課題を感じている割合は92%。最多回答は「DXの知識や経験がある人材がいないこと」
都市圏以外では「十分な予算がないこと」も上位に挙がる。
7. インバウンド施策検討に必要な分析データは、「どのSNSがインバウンド訪日につながったかの解析」、
「実施した施策別のインバウンド訪日客の数」「訪日客の出身国別の行き先や滞在日数」。
8. インバウンド業務へのモチベーション、「インバウンドは意義のあるテーマだと思う」、「新しい知識や考え方が身についた」が6割。一方で「インバウンド業務はむずかしい」とする回答も6割近くに上る。
【まとめと提言】
* インバウンドは、地域への経済効果が期待される重要課題
* 外国語対応とメディア活用がインバウンド促進のキーワード
* インフラや体制の整備とともに、施策の効果を測定し費用対効果を高める
* DX推進により課題を解決する
* 公務員(自治体職員)のモチベーションに寄り添った施策を
観光は日本経済における重要分野ですが、中でも世界の観光需要を取り込むインバウンド(訪日外国人旅行)は成長が予想されています。2024年7月の訪日外客数の推計値は約329万人※と5カ月連続で300万人超えとなり、コロナ禍以前の2019年の実績を超える高水準を維持しています。今後のインバウンドの動向を左右する要因の1つに、インバウンドを受け入れる地域の体制が挙げられます。
※2024年8月21日 日本政府観光局 PRESS RELEASE 報道発表資料 訪日外客数(2024年7月推計値)より引用
このたび、JTBグループで様々なコミュニケーションサービスを提供する株式会社JTBコミュニケーションデザインはワーク・モチベーション研究所にて、全国の地方自治体でインバウンド業務に携わる公務員515人にアンケート調査を行い、その結果を「全国の地方自治体のインバウンド施策の現状と課題―外国人観光客をめぐる自治体職員の期待と悩み―」としてまとめました。
【調査概要】
調査方法
インターネットリサーチ(調査会社に登録するモニターから該当者を抽出)
調査対象者
全国の地方自治体でインバウンド事業に携わる公務員
都市圏206人(東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏に勤務する回答者)
都市圏以外309人(3大都市圏以外に勤務する回答者)
実施期間
2024年7月19日~7月23日
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株式会社JTBコミュニケーションデザイン 広報室
TEL:03-5657-0860